· 

賃上げムードになっているのに生活の質が向上しないのはなぜなのか?

皆さん、こんにちは。

 

 アベノミクス以降、政府が企業に賃上げを要請して久しいですね。景気を上向かせる政策を実行するので増えた分は賃金で還元してくださいね、ということを継続してきました。コロナ禍があって停滞した時期もありましたが岸田政権になって賃上げ率が以前に比べて大幅に上昇しているとマスコミで報じられています。例えば5月20日に経団連から発表された大手企業の2024年春闘の第1回集計による結果は賃上げ率が5.58%(19,480円)でした。前年が3.91%(13,110円)だったので大きく上回っています。引き上げ額に関しては1976年以降で最高だったそうです。これだけを見てみるとかなり景気が良い印象を与えますが家計の状況をみてみるとそういった実感がないのではないでしょうか?なぜこのようなことになるのかを見てみます。

 

①実質賃金がマイナス

そもそも実質賃金とは何か?名目賃金とは何か?について説明します。

 

名目賃金とは実際に支払われている賃金のことです。

実質賃金とは実際に支払われた賃金から消費者物価指数に基づく物価変動などを考慮した賃金です。

 

今の日本の現状は物価が上昇しているので名目賃金が上昇しても、それを上回る物価上昇があると賃金は実質的にマイナスになってしまうのです。厚生労働省の毎月勤労統計調査令和6年3月分結果速報のデータがあるのでご覧ください。

 実質賃金がマイナスになっているのがわかると思います。実質賃金のマイナスが24か月連続だとマスコミの報道があったのをご覧になった方も多いと思います。このような状況なので生活が楽になったという実感がないということになります。

 

②国民負担率が上昇している

国民負担率っていったい何?ということで説明します。簡単に言うと所得に占める社会保障費と税金の負担割合のことです。財務省が発表した2023年度の国民負担率は46.8%になるとのことでした。XなどのSNSで話題になった江戸時代の五公五民のようだ、というのはこの数字から来ています。江戸時代だと一揆がおきるくらいの負担なのですが現状は一揆が起きる気配はありませんね。下の資料は財務省の「負担率に関する資料」が出所です。こちらをご覧ください。

ごちゃごちゃして見づらいかもしれません。このデータの始まりは1975年です。この時の国民負担率は25.7%でした。約50年で約2倍になったということがわかります。少子高齢化による社会保障負担の増大は大きな要因でしょう。それ以外にも当時はなかった消費税があるので税負担も大きくなっています。ゆえに消費に回せるお金が減っています。将来不安もあるのでお金をあまり使わなくなっている節約志向が企業の生産につながらずそれが賃金上昇につながらずという悪循環が未だに改善されていないという状況もあるかもしれません。

③そもそも給与総額が上がっていない

 

冒頭の①で紹介した賃上げですが、ベースアップと言って社員全員の給料が一律で上がる部分については賃上げがなされています。しかし、残業が減らされたり管理職に役職が上がることで残業代がなくなったり、ボーナスを減額されたりして実質的な賃金が特に中年社員は減らされる傾向にあります。日本は年功賃金なので年齢が上になるほど給料が高いのでここを減らそうという動きが出てくるのは仕方のないことではあると思います。その分を若手に回して仕事に対するモチベーションを上げてもらおうと企業は考えています。家族がいて住宅ローンを抱えているような中年社員は余計に苦しいですね。こういった状況なので生活が楽になるという実感が得られないのです。

このようなご時世なので副業にチャレンジするとかリスキリングをして今求められている仕事に移ることを国レベルで進めていますが、そうそうみんなが思い通りに転職をして所得を増やすというのが難しいという現状もあります。即効性のある解決策はありませんが夫婦共働きをするとかお金になる副業をするためのスキルを磨くとか合わせ技で家計を強化することが必要な時代だということでしょう。今日はこれで終わりにします。参考になった、タメになったという方は下のボタンを押していただけると幸いです。今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

にほんブログ村 経営ブログ ファイナンシャルプランナーへ
にほんブログ村

FP事務所 あなたの家計のパートナー

 

Web対応専門のFP事務所

夜間・土日祝メインのFP事務所

団塊Jr世代に強いFP事務所

雇用情勢とお金の関わりに詳しいFP事務所

おひとりさまの不安を解消するFP事務所

金融教育・講演が得意なFP事務所

 


Copyright© FP事務所 あなたの家計のパートナー , 2023 All Rights Reserved.